研究概要 |
1.血管炎の作成:ラット成獣に対し、馬血清10ml/kgを1週間間隔で2回静脈内投与をし、この間、経時的に体表面心エコー図にて動脈壁を中心に心血行動熊を観察した。2回目の静脈注射直後より左鎖骨下動脈の血管壁は徐々にエコー輝度が増加し、血管炎が惹起されていることが確認された。2.血管炎を起こした左銷骨下動脈の摘出:体表面エコーにて血管炎の形成を確認後、エーテル麻酔下に開胸し無菌的に左鎖骨下動脈を摘出した。3.血管内皮細胞および血管平滑筋細胞の分離および培養:摘出した左鎖骨下動脈から血管内皮細胞および血管平滑筋細胞を分離。血管平滑筋細胞の一部はそのまま微小電気生理学的検査に供した。その他の分離細胞はDullbecco's modified Eagle's液に10% fetal bovine serumを添加し、培養液としたディッシュ内でそれぞれ細胞数が1x10^5個/mlになるように調整し培養液と共に37℃、95%O_2,5%CO_2下にて培養した。血管平滑筋細胞は培養3日目には細胞が互いにconfluentとなった。4.血管平滑筋細胞の虚血条件下での微小電気生理学的検討:単離した血管平滑筋細胞を10分間、代謝阻害薬としてシアン化ナトリウム(NaCN 2mM,酸化的リン酸化を阻害)とヨード酢酸(IAA 5mM,解糖系を阻害)を添加し、短時間虚血処理を行った。(1)血管炎を起こしていない正常の血管平滑筋細胞、(2)血管炎をおこし、かつ虚血処理を施行した細胞(3)血管炎をおこしているが、短時間虚血処理を行っていない細胞、以上3系列の細胞系を用意した。whole cellにてL-type CaチャンネルおよびK_<ATP>チャンネル電流の測定を行っている。
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