研究概要 |
【目的】単球/マクロファージにおけるcysteinyl leukotriene (cysLT)刺激によるmonocyte chemoattractant protein-1(MCP-1)産生の細胞内シグナル伝達経路について解析する。【方法】1.単球系THP-1細胞をcysLT刺激しextracellular signal-regula ted kinase (ERK)1/2、c-Jun N-terminal kinase (JNK)、 p38MAPKおよびNF-κBの活性化を検討した。2.ERK1/2(PD98059),JNK (SP600125),p38MAPK(SB203580),NF-κB (CAPE, MG-132)の各阻害薬のcysLT刺激によるMCP-1産生抵制効果を検討した。3.cysLT受容体拮抗薬pranlukastのcysLT刺激によるMCP-1産生抑制効果を検討した。【成績】1.THP-1細胞においてLTD4,LTC4刺激によりERK1/2およびJNKのリン酸化が誘導されたがp38MAPKのリン酸化は誘導されなかった。またLTD4,LTC4刺激によりNF-κB活性化を認めた。2.ERK1/2,JNK, NF-κBの阻害剤はLTD4,LTC4刺激によるMCP-1産生を抑制した。4.pranlukastはLTD4,LTC4刺激によるERKおよびJNKのリン酸化、NF-κB活性化を抑制した。【結論】ヒト単球/マクロファージにおいてcysLT刺激によるMCP-1産生はcysLT1受容体を介してMAPK系のERK1/2,JNKおよびNF-κB活性化により誘導される。
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