研究課題
慢性活動性EBウイルス感染症(Chronic active Epstein-Barr virus infection:CAEBV)患者の治療確立をめざして、自験例の合併症と治療成績およびEBV持続感染細胞(T/NK細胞)の特性を解析した。造血幹細胞移植が唯一の根治療法である本症の3大臓器病変は、神経、心血管および腸管である。神経合併症については、神経症状のない時期から脳脊髄液にEBV量が上昇している例があり、末梢血よりも脳脊髄液でEBV量が高い値を示すこと、これが中枢神経におけるEBV再活性化と感染細胞の浸潤を示唆することを文献報告した。心合併症例については、冠動脈病変が造血幹細胞移植後に感染細胞を排除できた2例において正常化したことを文献報告した。EBV関連血球貪食症候群の重症例に対する移植成績をCAEBVと比較して文献報告し、さらに家族性血球貪食症候群との比較を全国調査に広げて解析した結果を国際学会で報告し、投稿した。これらの報告は、骨髄非破壊的移植と非血縁臍帯血移植を組み合わせることが今後の治療成績向上に結びつく可能性の高いことを示唆するものである。さらに、CAEBV6例(T細胞型3例、NK細胞型3例、造血細胞移植3例を含む)について、患者のリンパ球亜群におけるEBV感染の様式を高純度細胞分離(>99.9%)により解析し、T細胞型でもNK細胞に、NK細胞型でもT細胞に感染があり、さらにこれらもクローン増殖している例は半数以上あることを確認した。前駆細胞レベルでの感染が示唆される症例もあったが骨髄幹細胞に感染している例はなかった。以上の解析を終了した。
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