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2007 年度 実績報告書

ナンセンス変異により発生する中途ストップコドンの除去機構の解明と応用

研究課題

研究課題/領域番号 19591256
研究機関長崎大学

研究代表者

栗林 太  長崎大学, 熱帯医学研究所, 准教授 (60251443)

研究分担者 中村 三千男  長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (30091276)
キーワード活性酸素 / NADPH オキシダーゼ / 慢性肉芽腫症
研究概要

慢性肉芽腫症(CGD)は、好中球NADPHオキシダーゼ構成蛋白質の遺伝子異常により、活性酸素を生成できないために細菌感染を繰り返す疾患である。このオキシダーゼ蛋白質複合体の中で gp91 だけはX染色体にコードされるので CGD の多数をしめる。遺伝子異常の多くはNon-sense mutationによる中途ストップである。この中途ストップが存在する遺伝子から転写翻訳される異常蛋白質の発現を防ぐ生体防御機構の1つに mRNA レベルでのNonsense-mediated Altered Splicihg(NAS)が存在する。NASにより中途ストップが生じた変異を含む exon は取り除かれ、それから翻訳された蛋白質は完全長ではないものの、機能がある程度保持される可能性があり、実際NAS による筋ジストロフィーの軽症型が報告されている。私共はCGDの疾患原因を研究し、平成19年度、初めてCGD におけるNASを発見した。また、その詳しい解析を行った結果、以下のような成果を得た。
(1)gp91のexon5に中途ストップが存在する変異を持つCGD患者のgp91には、NASの機構により、exon5を丸ごとスキップした mRNAが存在した。
(2)ところが、このexon5をスキップしても、exon6でまた中途ストップが生じることから、exon5と6を丸ごと、そして同様の理由からexon5,6,7を全て欠損したgp91のmRNAを同定した。
(3)また、exon3に中途ストップが存在するCGD例では、免疫染色の結果から微量ながらgp91を発現し、化学発光法による測定結果から活性酸素生成能も保持していた。抗体の認識部位が exon5以降であるので、exon3をスキップした mRNA からの翻訳蛋白質が発現し活性酸素を生成していることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] gp91phoxの細胞外部分を認識する抗体、7D5の可変領域の遺伝子クローニングと構造モデル2007

    • 著者名/発表者名
      栗林 太, 他
    • 学会等名
      第30回日本分子生物学会年会・第80回日本生化学会大会 合同大会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2007-12-14
  • [学会発表] gp91phox結合性炎症制御型相補ペプチドの開発とその応用.2007

    • 著者名/発表者名
      中村 三千 男, 他
    • 学会等名
      第15回食細胞機能異常症研究会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2007-12-14

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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