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2008 年度 実績報告書

室内環境化学物質の胎児期曝露の次世代影響:乳幼児期のアレルギーと肥満細胞の解析

研究課題

研究課題/領域番号 19591269
研究機関産業医科大学

研究代表者

野口 順子  産業医科大学, 医学部, 教務職員 (30389423)

研究分担者 吉田 安宏  産業医科大学, 医学部, 准教授 (10309958)
欅田 尚樹  産業医科大学, 産業保健学部, 准教授 (90178020)
山下 優毅  産業医科大学, 医学部, 教授 (00028680)
キーワードアレルギー・ぜんそく / 肥満細胞 / 室内環境化学物質 / 胎児期曝露
研究概要

平成19年度に構築した胎児期化学物質曝露システムを用い、胎児期曝露マウスを作成、アレルギー反応の解析を分化誘導した肥満細胞を中心に検討した。化学物質としてアレルギー疾患との関与が示唆されているホルムアルデヒドを用いた。(1)胎児期化学物質曝露モデルの作成:マウスを交配させ妊娠(プラーク)確認後、化学物質の全身曝露を出産直前までの14日間行う。ホルムアルデヒドは室内環境濃度の許容濃度(80ppb)で曝露を行った。曝露による出生率や、仔マウスの体重増加に影響はなかった。(2)シグナル伝達物質の活性化の解析:(1)の胎児期曝露マウスと対照群マウスを用いて、STAT5の活性化を解析した。胎児期曝露マウスの胸腺細胞においてSTAT5の活性化が認められた。(3)肥満細胞の解析:(1)の胎児期曝露マウスと対照群マウスの骨髄細胞から肥満細胞を分化誘導し、FcεRIを介した抗原刺激による脱顆粒反応、サイトカイン・PGD2の産生量を比較検討し肥満細胞によるアレルギー応答を解析した。骨髄細胞中のCD34+細胞が曝露群で顕著に増加していた。肥満細胞ではアレルギー性炎症/Th2応答を亢進させるPGD2, histamine,IL-6, IL-13の産生増加を認めた。その結果、胎児期曝露を受けた個体は胸腺、骨髄において、それぞれ、STAT5の活性化の亢進、CD34+細胞の増加を認めた。この活性化は(1)幼児期になってもその影響が持続し、その影響は(2)より未熟な細胞に顕著で、(3)分化誘導した肥満細胞でも観察された。STAT5の活性化は、Th1細胞の分化を抑制することによりTh1/Th2バランスをTh2に偏向させること、CD34+細胞はアレルギー性炎症の重要なエフェクター細胞となることが報告されていることと併せ、胎児期における化学物質の曝露は個体allergy-sensitiveな方向性をもたらすことが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] An indoor air pollutant 2-ethyl-hexanol activates CD4 cells2009

    • 著者名/発表者名
      Yoshida, Y., et al.
    • 雑誌名

      Chemico-Bio Intera 177

      ページ: 137-141

    • 査読あり
  • [学会発表] マウスpDC機能におけるPGE2とtype I Interferonの関係2008

    • 著者名/発表者名
      野口順子. 他
    • 学会等名
      第38回日本免疫学会
    • 発表場所
      国立京都国際会館
    • 年月日
      2008-12-02
  • [学会発表] Prostaglandin E2 is an important factor for murine plasmacytoid dendritic cell functions2008

    • 著者名/発表者名
      J. Noguchi, et al.
    • 学会等名
      The 10th International Symposium on Dendritic cells
    • 発表場所
      International Conference Centre Kobe
    • 年月日
      2008-10-03

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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