研究課題
日本白血病治療委員会(JACLS)のプロトコールで治療したT細胞型急性リンパ性白血病(T-ALL)55例とT細胞型非ホジキンリンパ腫(T-NHL)14例を対象にNOTCH1遺伝子とその上流のFBW7遺伝子の解析を、WAVE法でスクリーニングし、PCR法、直接塩基決定法を用いて遺伝子変異を検索した。NOTCH1遺伝子の変異はT-ALL55例中22例(40.0%)に、T-NHL14例中7例(50.0%)にみられ、T-ALLの変異は15例はHDドメインに、7例はPESTドメインに、1例は両方のドメインに変異がみられ、NOTCH1変異の頻度はこれまでの報告より低率であった。NOTCH1遺伝子変異を有する症例は有さない症例に比べて5年無病生存率、5年全生存率は有意に高かった。FBW7遺伝子変異はT-ALLでは55例中8例(14.6%)に、T-NHLでは14例中3例(21.4%)にみられた。FBW7遺伝子変異は予後良好な傾向がみられたが、5年生存率に有意差はみられなかった。NOTCH1とFBW7遺伝子変異の両方またはいずれかがある症例は、5年無病生存率と5年全生存率はない症例に比べて有意に(p=0.007とp=0.023)良好であった。これらのことによりNOTCH1遺伝子変異とFBW7遺伝子変異の有無は予後のマーカーになることが示唆された。今後は次期プロトコールで多数例による前方視的検討を行なう予定である。また今年度はPTEN遺伝子についても解析を行ない、T-ALL/T-NHLの50例中8例(16.0%)に変異を認め、これらの変異のある症例の臨床的特徴、予後との相関について詳細な解析を行なっているところである。さらにAffymetrix社のSNPアレイを用いた網羅的ゲノム解析の準備をしているところである。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (18件) (うち査読あり 18件) 学会発表 (35件)
Brit J Haematol 144
ページ: 917-929
Brit J Haematol
Cancer Genet Cytogenet. 180
ページ: 74-78
Genes Dev. 22
ページ: 986-991
Leuk Res. 32
ページ: 1523-1529
Pediatr Blood Cancer 50
ページ: 264-269
Oncogene 27
ページ: 2249-2256
Cancer Science 99
ページ: 564-570
Haematologica 93
ページ: 1155-1160
J Biol Chem 283
ページ: 26820-26828
Nature 455
ページ: 971-974
Leukemia. 22
ページ: 2279-2280
Cancer Genet Cytogenet. 186
ページ: 115-11
J Pediatr Hematol Oncol 30
ページ: 785-787
ページ: 6749-6760
Eur J Haematol 81
ページ: 475-480
ページ: 213-217
Cancer Genet Cytogenet. 188
ページ: 99-102