研究課題/領域番号 |
19591271
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研究機関 | 千葉県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
中村 洋子 千葉県がんセンター(研究所), 生化学研究部, 主席研究員 (60260254)
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研究分担者 |
上條 岳彦 千葉県がんセンター(研究所), 生化学研究部, 部長 (90262708)
中川原 章 千葉県がんセンター(研究所), 研究局, 局長 (50117181)
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キーワード | UNC5H4 / 神経芽腫細胞 / p53 / Dependence receptor / 細胞死 |
研究概要 |
これまでヒト神経芽腫cDNAライブラリーから予後良好群と予後不良群の間で発現に差の認められる遺伝子を大量に同定してきた。その中で予後良好群において発現の高い遺伝子としてUNC5Hファミリーの新規遺伝子UNC5H4(UNC5D)(Dependence receptor)が同定された。この遺伝子は、神経芽腫の細胞死に関係した遺伝子である可能性は非常に高いが、その機能は未だに明らかではない。そこで、神経芽腫の細胞死におけるUNC5H4の機能解析を行うことを目的とした。 神経芽腫の予後良好群および予後不良群においてUNC5H4の発現を検討したところ、予後良好群でUNC5H4の発現は高いことが判った。108症例の神経芽腫を対象にUNC5H4の発現を解析した結果、UNC5H4の高発現と良好な予後との相関が認められた。U20S(p53 野生型)ならびにH1299(p53 変異型)にアドリアマイシンを処理し、UNC5H4の発現解析を行った。UNC5H4の発現は、U20Sでは、アドリアマイシン処理によって増加したが、H1299では変化は認められなかった。U20SにUNC5H4 siRNAをトランスフェクトし、アドリアマイシン処理によってアポトーシスが抑制されるか検討を行った。その結果、Control siRNA群のsub GO/G1に比べ、UNC5H4 siRNA群のSub GO/G1の比率は、減少していることが判った。すなわち、UNC5H4 siRNAによりアポトーシス誘導が抑制されることが示唆された。SY5Y (p53野生型)およびSK-N-AS(p53変異型)にUNC5H4を過剰発現させ、colony formationassayを行った。その結果、SH-SY5Yでは細胞増殖は抑制されたが、SK-N-ASでは、細胞の増殖抑制は認められなかった。UNC5H4の細胞死誘導はp53と関与している可能性が示唆された。
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