研究概要 |
悪性リンパ腫細胞株における細胞周期関連分子(p14, p16, p21, p27, Rb, phosopho-Rb)の発現についてウエスタンブロット法にて検索した。Anaplastic large cell lymphoma(ALCL)細胞株ではRb/phospho-Rb, p27は4株とも発現が認められた。Burkitt lymphoma(BL)7株においては、全ての株でp16 INK4a発現がなく、Rb/phospho-Rbは過剰発現の傾向がみられた。p21, p27発現については細胞株の間でばらつきがあり、一定の傾向を示さなかった。ALCLでは、SCIDマウスに腫瘍を形成するDEL, SR786, Karpas299ではp16INK4a の発現が認められなかったが、SCIDマウスに腫瘍を形成できないSu-DHL1ではp16INK4a の発現が認められた。p16INK4a 機能ペプチドによる腫瘍増殖抑制効果は、DELのみでなく、Su-DHL1においても認められ、トランスポーターペプチドを用いることにより、細胞内導入が効率的に行われた。今後、これらの増殖抑制がp16INK4a 機能ペプチドが機能的にp16INK4a を補っているかどうかを確認するため、p16INK4a 機能ペプチド投与時のRbのリン酸化抑制を検討する予定である。In vivoにおける腫瘍増殖抑制効果をSCIDマウス xenograftを用いて検討しているが、局所皮下投与では、効果が不明瞭であったため、投与量、投与方法を検討中である。
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