研究課題/領域番号 |
19591295
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
相場 節也 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80159269)
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研究分担者 |
大谷 朋之 東北大学, 病院, 助教 (20400319)
佐々木 喜教 東北大学, 病院, 助教 (60431566)
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キーワード | ランゲルハンス細胞 / 樹状細胞 / 接触皮膚炎 / ハプテン / ASK-1 |
研究概要 |
細胞内Redoxの異常とp38 mitogen activated protein kinaseの活性化とをつなぐ分子としてよく知られているASK-1分子のノックアウトマウスを用いて、ハプテン塗布後の樹状細胞(DC)の活性化ならびに所属リンパ節への遊走におけるASK-1分子の役割を検討した。 (1) ハプテン刺激に対するASK-1-/-マウス表皮ランゲルハンス細胞(LC)の低応答 マウス耳介皮膚にハプテンを塗布し、経時的にLCをIa抗体で染色したところ、wild typeマウスでは、経時的にLCの数が減少したのに対し、ASK-1-/-マウスでは、その減少が観察されなかった。また、LCのDCの活性化マーカーの一つであるIa抗原とCD86分子の発現をflow cytometryにて観察したところASK-1-/-マウスでIa抗原、CD86分子の発現増強の低下が認められた。 (2) ASK-1-/-マウスにおけるハプテン塗布後の所属リンパ節におけるDC数の減少 次に、腹部にハプテンを塗布した後、経時的に所属リンパ節の樹状細胞数を計測したところ、ASK-1-/-マウスにおいて所属リンパ節に遊走してくる樹状細胞の低下が明らかとなった。また、DCのCD80分子、CD86分子、Ia抗原の発現低下もASK-1-/-マウスにおいて認められた。 (3) ASK-1-/-マウス培養DCにおける成熟促進と刺激に対する反応性の増強 次に、マウスの骨髄より造血幹細胞を採取し、それをGM-CSFとIL-4の存在下に培養し骨髄由来DCに分化させた。これらDCにNiCl2、DNCBを添加し、DCの成熟をwild typeマウスとASK-1-/-マウスとで比較したところ、予想外にASK-1-/-マウスでDCの成熟抑促進とハプテン刺激後の反応性の増強が認められた。以上の結果より、ハプテン刺激後のDCの活性化におけるASK-1分子の重要性が明らかになった。
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