メラノーマの原発巣、転移巣ともに、制御性T細胞が認められ、なかでも微小転移巣に比べて、肉眼的転移巣においては、foxP3のmRNAレベルが高かったことから、腫瘍量の増大に相関して、制御性T細胞が誘導されていることが示唆された。また、腫瘍細胞がCCL22を産生していることから、CCL22と制御性T細胞のCCR4発現のinteractionが、腫瘍局所におけるTreg誘導のメカニズムと考えられた。いっぽう、in vitro抗原ペプチド刺激により、TGFssの産生が認められた。未熟DCで刺激した場合に増強した。これらの反応は、患者に比べて、健常人ではTGFssの産生はほとんど認められなかったことから、メラノーマ患者では、免疫抑制的サイトカインの産生が起こりやすい病態が示唆された。以上の結果から、抗原特異的免疫療法においては、刺激にもちいる樹状細胞の成熟度やペプチドの選択を慎重に行うことの重要性が明らかとなった。
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