研究概要 |
抗SHPS-1抗体のマウスへのin vivo投与により接触過敏症の減弱が起こることを確認した。さらに免疫寛容が誘導されるか否かについて検討を行なったが免疫寛容は誘導されなかった(未発表データ)。SHPS-1変異マウスでは接触過敏症の減弱があることを確認した。SHPS-1変異マウスのリンパ節細胞の移入による寛容の成立についての実験について現在計画中である。一方で野生型、およびSHPS-1変異マウスの骨髄細胞から樹状細胞を作成したが、両者はともに十分に成熟しCD80,CD86,CCR7を発現することができることを確認した(未発表データ)。樹状細胞株XS52をIL-4とGM-CSFで9日間刺激することによって成熟させるとCCR7が発現することを確認した。成熟XS52細胞をCCR7のリガンドであるMIP3βで刺激するとchemotaxisが起こること、およびその際にrho kinaseの活性化がみられることを見出した。Rho kinase阻害薬はXS52の遊走やin vivoでのLangerhans細胞の遊走を阻害し接触過敏症を抑制することを報告した(日本研究皮膚科学会、横浜)。さらにSHPS-1変異マウスの骨髄から作成した樹状細胞はMIP3βによるchemotaxisが減弱していることを見出した(未発表データ)。自然発症皮膚炎モデルにおいてT細胞受容体のVβ8の変異が皮膚炎発症と関連していること、さらにTLR2刺激によるIL-13産生にはVβ8陽性細胞が必要なことを見出し報告した(Immunology)。
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