研究課題/領域番号 |
19591317
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
藤原 作平 大分大学, 医学部, 教授 (90181411)
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研究分担者 |
岡本 修 大分大学, 医学部, 講師 (40284799)
後藤 瑞生 大分大学, 医学部, 助教 (70433050)
住吉 秀明 大分大学, 医学部, 助教 (60343357)
竹尾 直子 大分大学, 医学部, 助教 (30423693)
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キーワード | エピプラキン / 自己抗原 / 自己免疫性水疱症 / 表皮細胞 / ケラチン / 創傷治癒 |
研究概要 |
エピプラキンは、自己免疫性表皮下水疱症の自己抗原として同定された表皮細胞内分子であり、その一次構造ならびに遺伝子構造は既に明らかになった。さらにスロットプロット・アッセイを用いたin vitro相互作用の実験からエピプラキンは、ケラチン、ビメンチンとの相互作用することが明らかになった(J Dermatol2006)。本研究では、実際に中間径フィラメントとエピプラキンとが結合しているか否かと、中間径フィラメント以外の分子との結合の有無とを調べ、その機能を明らかにすることを目標とした。 エピプラキンと中間径フィラメントとの細胞内での動態を調べるために、まず創傷治癒過程におけるマウス表皮において、共焦点レーザー顕微鏡観察、ついで免疫電子顕微鏡観察を行なった。創傷治癒過程では、4-6日目に創端の増殖表皮細胞の基底細胞層から上方に強い発現が見られたが、8日目に減弱し、10日では正常に復した。創は6-8日で治癒したが、創面を伸長する表皮先端には発現が見られなかった。免疫電子顕微鏡観察では、創傷部の増殖表皮細胞において、4-6日目にケラチン6、10の混合した太い線維の周囲にエピプラキンが見られた。このケラチン線維は2日目では、核周囲に凝集し、2日目以降にエピプラキン存在下で核と細胞膜の間に、線維として再構築され、これとともに表皮細胞が肥大化した。しかしエピプラキンノックアウト表皮細胞では、細いケラチン線維が、細胞膜と平行に走行する線維として観察され、表皮細胞の肥大化が生じなかった。これらのことからエピプラキンの機能は、ケラチン線維を束ねて強度を与える役割を果たすことが示唆された。
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