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2008 年度 実績報告書

アスピリンによるマスト細胞活性化の修飾に関する機序解明とアスピリン不耐症との関連

研究課題

研究課題/領域番号 19591330
研究機関日本大学

研究代表者

落合 豊子  日本大学, 医学部, 教授 (40133425)

研究分担者 鈴木 良弘  日本大学, 医学部, 助教 (80206549)
羅 智靖  日本大学, 医学部, 教授 (60230851)
キーワードアスピリン / マスト細胞 / カルシウム / ロイコトリエン / L-type Ca^<2+> channels
研究概要

アスピリン(ASA)は抗炎症目的に様々な疾患で多用されているが、その一方でアスピリン不耐症などにおいて即時型アレルギーの増強因子として作用することが臨床上の問題点になっている。これらの反応ではロイコトリエン(LT)産生が亢進し、それに関与するLT合成酵素の殆どがマスト細胞に発現していると考えられているが、その機序は解明されていない。研究者はこれらの機序を解明する目的で平成19年度から本研究をい、平成20年度には以下の結果を得た。
まず研究分担者の鈴木らはマスト細胞を抗原刺激するとカルシウム非依存性カルシム流入経路が活性化されることをみいだし、これをBiochem Pharmacol2008に報告している。このカルシウム流入には複数のチャンネルの関与が示唆がされるが、そのうちの1つは、薬理学的に興奮性細胞に存在しdihydropyridine(DHP)感受性を湿すL型カルシウムチャンネル(L-type Ca^<2+> channels LTCCs)に類似する。LTCCsは電位依存性カルシウムチャンネルのなかで開口時間の長いタイプで、CRAcチャンネルよりもはるかに大量のカルシウム流入を起こすことができる。またマスト細胞のLTCCs類似チャンネルはIgEを介して活性化され、サイトカイン産生を制御している。そこでマスト細胞を用いてASAによるDHP感受性チャンネルを介したLT産生経路の活性化を調べたところ、低濃度のASAはDHP感受性チャンネルを撰択的に活性化してIgEを介するマスト細胞のLT産生を増強していることがわかった。今回の研究を通して研究者らは、シクロオキシゲナーゼ活性阻害とは異なった新しいASAのマスト細胞に対する作用機序、則ちIgE非依存性ASAがカルシウム応答を調節することにより、IgEを介するマスト細胞を修飾することをみいだした。今後さらに研究を発展させ、ASAが即時型アレルギー反応を増悪化させる分子機序を解明する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Aspirin and salicylates modulate IgE-mediated leukotriene secretion in mast cells through a dihydropyridine receptor-mediated Ca^<2+> influx2009

    • 著者名/発表者名
      Togo K, Suzuki y, Ochiai, T, RaC, et al.
    • 雑誌名

      Clinical Immunology (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] アスピリンによるマスト細胞ロイコトリエン生成亢進の機序2008

    • 著者名/発表者名
      東郷香奈, 鈴木良弘, 落合豊子, ほか
    • 雑誌名

      臨床免疫・アレルギー科 49(6)

      ページ: 633-637

  • [学会発表] Aspirin regulates leukotriene synthesis in mast cells via dihydropyridine-sensitive calcium entry2008

    • 著者名/発表者名
      東郷香奈 落合豊子 鈴木良弘, 他
    • 学会等名
      International Investigative Dermatology 2008
    • 発表場所
      京都市(国際会議場)
    • 年月日
      20080514-20080517

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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