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2008 年度 実績報告書

パニック障害患者扁桃体におけるグルタミン酸及びγーアミノ酪酸代謝異常に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19591341
研究機関岐阜大学

研究代表者

塩入 俊樹  岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40235487)

研究分担者 北村 秀明  新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (00361923)
キーワードパニック障害 / 磁気共鳴スペクトロスコピー / グルタミン酸 / GABA / 扁桃体
研究概要

パニック障害は不安障害の一亜系であるが、最近ではPTSDやASD、SAD等と共に、Stress-induced fear circuitry disordersの範疇に入れられ、恐怖条件づけに関連した脳内神経回路の異常が想定されている疾患である。動物実験では興奮性アミノ酸であるグルタミン酸(Glu)が扁桃体で上昇しているとの指摘がなされている。また、抗不安薬であるベンゾジアゼピン系薬剤は抑制性アミノ酸であるY-アミノ酪酸(GABA)神経系に作用することは周知のことである。従って、パニック障害では、Glu神経系もしくはGABA神経系の機能異常が想定されている。そこで本研究では、超高磁場(3テスラ)MRI装置を用いて、パニック障害患者及び健常被験者を対象として^1 H-MRS測定を行い、両側扁桃体及び前部・後部帯状回(扁桃体における恐怖の消去の調節に関して重要な役割をもつとされている)におけるGlu及びGABAを、直接測定することを試みた。
結果は、完全寛解(測定前6ヶ月以上PAや広場恐怖がない状態と定義)にあるパニック障害患者群では、左扁桃体及び後部帯状回のGluが有意に高かった。このことは、パニック障害患者において、前述した恐怖の条件づけに関する神経回路に関連した脳部位でGlu神経系の機能異常が存在する可能性を直接示唆したものであり、世界で初めての報告である。また、これらの結果は、完全寛解期においても認められたことから、中間表現型マーカーとなる可能性もあり、今後はこれらの指標を用いて、分子遺伝学とのコラボレーションができればと考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Someya T. Factors which impacted on psychological distress and its recovery in victims after the 2004 Niigata-Chuetsu Earthquake in Japan : a community-basedstudy.2008

    • 著者名/発表者名
      Hideki Kuwabara
    • 雑誌名

      Psychiatry and Clinical Neurosciences 62

      ページ: 503-507

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ICD-10の問題点とICD-11に向けての課題 : F4神経症性障害、ストレス関連障害および身体表現性障害.2008

    • 著者名/発表者名
      塩入俊樹
    • 雑誌名

      精神神経学雑誌 110

      ページ: 887-979

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 広汎性発達障害の脳機能障害と脳内生化学代謝異常.2008

    • 著者名/発表者名
      遠藤太郎
    • 雑誌名

      精神神経学雑誌 110

      ページ: 797-804

    • 査読あり
  • [学会発表] Measuring fractal dimension of cerebellum in autism spectrum disorders by magnetic resonance imaging.2008

    • 著者名/発表者名
      Hideaki Kitamura
    • 学会等名
      2nd WFSBP Asia-Pacific Congress and 30th Annual Meeting of Japanese Society of Biological Psychiatry
    • 発表場所
      Toyama
    • 年月日
      2008-09-12

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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