研究課題/領域番号 |
19591346
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
中村 主計 富山大学, 大学病院, 助教 (00447658)
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研究分担者 |
鈴木 道雄 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (40236013)
川崎 康弘 富山大学, 大学病院, 講師 (80242519)
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キーワード | こころのリスク状態(ARMS) / 統合失調症 / 前駆状態 / 3次元MR画像 / 拡散テンソル画像 |
研究概要 |
平成20年度には、富山県の「こころのリスク相談事業」を通して、こころのリスク状態(ARMS)の対象者を募集した。ARMS9例(男性7例、女性2例)について、「こころのリスク状態の包括的評価(CAAMS)」を用いて詳細な判定を施行し、陽性症状評価尺度(SAPS)、陰性症状評価尺度(SANS)、および簡易精神症状評価尺度(BPRS)を用いた半構造化面接を行い、臨床症状の重症度の評価を施行した。また、これらの9例については、3次元MR画像、拡散テンソル画像の撮像を施行した。また、統合失調症26例(男性14例、女性12例)、うち初回エピソード患者10例(男性7例、女性3例)について、当科外来より募集し、陽性症状評価尺度(SAPS)、陰性症状評価尺度(SANS)、および簡易精神症状評価尺度(BPRS)を用いた半構造化面接を行い、臨床症状の重症度を評価するとともに、3次元MR画像、拡散テンソル画像の撮像を施行した。得られた画像データにつては、今後の検討のため必要な処理を行い、蓄積している。統合失調症の前駆状態は、表出される症状が多彩で非特異的であるため、診断精度には限界がある。このため、こころのリスク状態(ARMS)という共通の概念で、統合失調症の発症危険群について、3次元MR画像、拡散テンソル画像のデータを蓄積し、検討することで、客観的な生物学的指標による統合失調症の前駆状態の補助診断法の開発を目指すことは、統合失調症の早期介入、発症予防にとって重要である。また、予備的検討として進めてきた、拡散テンソル画像を用いた統合失調症患者と健常対象者の白質のfractional anisotropyの群間差、臨床症状との相関についての検討を日本統合失調症学会第4回大会で発表した。
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