研究分担者 |
松崎 秀夫 大阪大学, 医学系研究科, 特任准教授(常勤) (00334970)
土屋 賢治 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (20362189)
岩田 泰秀 浜松医科大学, 医学部, 助教 (10285025)
杉原 玄一 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (70402261)
須田 史朗 浜松医科大学, 医学部, 助教 (40432207)
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研究概要 |
統合失調症の患者死後脳においてAktの発現減少が海馬で観察されることから,我々は統合失調症の病態を規定する指標の有力な候補としてAktを選び,その発症時に海馬で誘導されるAktの発現減少がGABAニューロンの機能低下を介して統合失調症の症状を惹起するとの仮説を立てた。この仮説に基づき,本研究では基盤研究(A)「神経幹細胞機能異常仮説としての統合失調症の病態発生に関する研究」(平成15〜17年度)により補助を受けた研究の過程で開発されたラットX線照射モデルを用いて,このモデルに見られる認知行動異常や脳組織病理所見を遺伝子の中枢神経細胞への選択的導入で修復できるかどうかを検証する。 平成19年度はヒトAkt遺伝子を組み込んだアデノウイルスを用いて,X線照射ラットの海馬へのAkt遺伝子の特異的導入を施し,ラットに見られる機能障害の改善の可否を検討した。その結果,X線照射ラット海馬へのAkt遺伝子導入によってモデルに見られる覚醒剤応答や認知機能の変化を十分修復するには至らなかったが,感覚運動系については効果が認められる可能性が見出された。そこで平成20年度は,感覚運動系の機能評価と脳病理組織学的評価に絞って遺伝子導入の効果をみる計画とした。
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