研究課題/領域番号 |
19591348
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
竹林 淳和 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (50397428)
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研究分担者 |
須田 史郎 浜松医科大学, 医学部, 助教 (40432207)
山本 茂幸 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (10382201)
岩田 泰秀 浜松医科大学, 医学部, 助教 (10285025)
松崎 秀夫 大阪大学, 医学系研究科, 特任准教授(常勤) (00334970)
辻井 正次 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 客員教授 (20257546)
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キーワード | 感覚運動入力 / プレパルスインヒビション / 自閉症 |
研究概要 |
自閉性障害の患者では外的な刺激に対する異常な反応性が見られ、感覚入力のフィルタリング(filtering)に異常があることが古くから想定されてきた。感覚および運動入力の処理をおこなう脳内情報処理機構は感覚運動入力系(sensorimotor gating system)と呼ばれる。感覚運動入力とは、生体にとってあまり重要でない感覚刺激に対しては反応を小さくし、重要な刺激に対しては反応を大きくする脳の情報処理過程である。 本研究では自閉性障害に見られる知覚処理の異常の背景にある病態について、プレパルスインヒビション(prepulse inhibition: PPI)を用いて検討した。PPIの測定には当初、San Diego Instruments社のSR-HLABを使用し、聴覚刺激を用いる予定であった。しかし、健常者で行ったpreliminary testにおいて、被験者間でのデータの差が大きいことが判明し、これまでに報告されている視覚刺激によるPPIのデータは信憑性に乏しいことが推測された。このため、我々は新たに触覚刺激によるPPI測定機器を製作し、健常者19名によるデータの検証を行った。その結果、pulse付加30ms, 60ms, 120ms前にprepulseを与えた場合、筋電図で検出されるstartle responseがpulseのみを付加した場合に比べ、各々65.7%、28.4%、33.6%抑制された、SDは各々19.9、15.7、18.5であり、きわめて均質なデータと言える。 今後はこれらの基礎データを下に、自閉症患者のPPIの測定を行い、自閉症における感覚運動入力の障害を明らかにしていく。
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