研究課題/領域番号 |
19591353
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福永 知子 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90273630)
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研究分担者 |
森原 剛史 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90403196)
寳学 英隆 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (50314323)
鵜飼 聡 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (80324763)
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キーワード | 脳血管性認知症 / 危険因子解明 / 認知機能障害 / アルツハイマー病 / フォローアップ研究 |
研究概要 |
物忘れを訴える高血圧のフォローアップ症例に実施したHDS-R・MMSE・ND test・Stroop test・Raven's Coloured Progressive Matrices (RCPM)の個々の認知機能検査データの総得点のみならず下位項目の成績存を詳細に検討した。また神経心理学的症候、脳血管障害に関する危険因子の指標として動脈硬化度のチェック、脳磁図および脳画像検査による脳機能や脳内病変の探索、等の臨床データを収集し、経時的な診断分類をおこなった。そして、この認知機能検査データとそれ以外の臨床データとを併せて、認知症への進展の有無あるいは進展速度を比較検討したところ、認知症の早期発見に鋭敏な項目は、ND Testでのみ評価し得る論理的記憶に関連する物語記憶での虚再生の有無であることが示唆された。今後、さらに、認知症の早期発見に役立てるため、HDS-R・MMSEの単語再生での虚再生およびRCPMの誤答パターンを検討する。 血管性認知障害から認知症に至るリスク遺伝子の解明という本研究への協力同意を得た後、高血圧を合併する症例の末梢血採取を開始した。このサンプル収集は次年度前半まで継続する。同時に、その血漿およびDNAを抽出し、遺伝子多型ゲノタイピングを開始した。そして、認知症への進展の有無あるいは進展速度と、血漿マーカーとの相関、およびアルツハイマー病の発症関連因子として検出されているリスク遺伝子多型との関連、すなわちアポリポ蛋白遺伝子、第8凝固因子遺伝子、ホモシステイン遺伝子、アルデヒド脱水素酵素遺伝子などを対象としたリスク遺伝子多型との関連を比較検討中である。近年、アルツハイマー病と脳血管性認知症のリスクの共通している部分が大きい事が話題になっているが、不明な点も多い。これらのデータはこの点について重要な知見を明らかにすると思われる。
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