研究概要 |
当該年度においては未投薬・初発の統合失調症罹患患者11名に対して拡散協調画像を撮像し、あわせて臨床症状、認知機能検査を実施した。対象の診断にあたってはDSM-IVに準拠し、器質性精神疾患や物質依存は対象から除外した。また頭部外傷治療などで金属を頭部にみとめるものや、ペースメーカー使用者も対象から除いた。検査に際しては本人及び家族に対して口頭および文書にて本検査の説明を行い、同意を得られた後に検査を行った。被験者は現時点では当科外来受診者が全てであり他施設からの紹介者はみられなかった。 撮像は1.5TのMRI装置を用いて行い、頭蓋内占拠病変を除外するために通常のT1,T2協調画像の撮像を行った後、以下の条件にて拡散協調画像の撮像を行った。 EPI sequence: TR=2300ms, TE=122ms, b=1000sec/mm2,6-axis encoding, FOV=230mm, Matrix=128*128. Slice spacing=3.3mm, slice thickness-3mm, Averaging= その後得られた画像をPC上にて起動するdTV-IIを使用し鈎状束の繊維走行を描出し得られた走行に属するvoxelのFA値、ADC値を検討に用いた。鈎状束の定義は先行論文に準拠して行い複数の計測者が計測し、得られた値の妥当性と信頼性をICCをもちいて検討した。 現時点では疾患罹患者と対応する健常群の測定が終了していないため当該部位での白質繊維走行に関しての検討は終了していない。妥当な健常群を募集し検査を施行、比較検討を行うことが今後の喫緊の課題である。
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