研究課題/領域番号 |
19591374
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
三村 將 昭和大学, 医学部, 准教授 (00190728)
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研究分担者 |
河村 満 昭和大学, 医学部, 教授 (20161375)
大坪 天平 昭和大学, 医学部, 准教授 (20245856)
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キーワード | driving / Alzheimer's disease / mild cognitive impairment / near infra-red spectroscopy / simulator / risk / frontal lobe / visuospatial function |
研究概要 |
本年度はまず、平成16年度〜18年度の文部科学省・科学研究費の助成を受けて実施していた光トポグラフィを用いた運転能力の評価を継続した。具体的には、昭和大学東病院・精神神経科外来の神経生理検査室内に設置してある52チャンネルの光トポグラフィ装置と運転シミュレータTeddyを用いて、研究協力者の医師・臨床心理士・言語聴覚士・作業療法士の協力を得て、軽度の認知症患者、軽度認知障害(MCI)患者、頭部外傷や脳血管障害による高次脳機能障害の患者を対象に、安全場面走行中と危険場面走行中とを比較する実験を継続した。その成果を平成19年7月の国際神経心理学会において報告した。認知症ないし脳損傷における運転安全性に関する報告は散見されたが、運転シミュレータを走行中の脳活動をNIRSでリアルタイムに計測した報告はなく、注目を集めた。 さらに、本年度は、被験者がシミュレータ上の危険な場面を走行中の反応を、脳反応の指標である光トポグラフィとともに、生理的反応指標である皮膚コンダクタンス反応(SCR)を用いて検討した。しかし、予備実験の段階で、若年健常被験者について十分なSCR反応を引き出すことができていない。引き続き若年・高齢健常群で予備実験を継続する予定である。 本年度は、認知症患者や高次脳機能障害患者の運転能力の評価において、より基礎的で重要と考えられる視覚探索能力に焦点を当てて評価を進めた。手続きとしては、交通事故の頻度と相関があり、訓練効果があるとされる有効視野計測の手法を用い、さらにgo/no-go課題を加えた独自の課題をパソコン上で実施した。平成20年3月現在、認知症と高次脳機能障害の被験者数は8名で、このうち4名は良好、2名は軽度障害、2名は重度障害という結果であった。今後、光トポグラフィ検査の成績との関連についても検討していく予定である。
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