研究課題
研究計画の最終年度にあたる本年度は、初年度、昨年度に引き続き、光トポグラフィを用いた運転能力の評価を継続した。具体的には、昭和大学東病院・精神神経科外来の神経生理検査室内に設置してある52チャンネルの光トポグラフィ装置と運転シミュレータTeddyを用いて、研究協力者の医師・臨床心理士・言語聴覚士・作業療法士の協力を得て、高齢健常者、軽度認知症患者、軽度認知障害(MCI)患者、頭部外傷や脳血管障害による高次脳機能障害患者を対象に、安全場面走行中と危険場面走行中とを比較する実験を継続した。さらに、より基礎的なデータである安全場面走行中と安静状態とを比較する実験を追加実施した。その結果、高齢健常者では安全場面走行を繰り返すと、馴化による前頭前野酸化ヘモグロビン量増大が減少するのに対し、特に軽度認知症では課題を繰り返しても、前頭前野酸化ヘモグロビン量が減少しないことが観察された。昨年度に引き続き、有効視野計測(UFOV)の手法にgo/no-go課題を加えた独自の課題(VFITと命名)をパソコン上で実施し、健常高齢者、軽度認知症患者、高次脳機能障害患者の対象例数をさらに増やした。健常高齢被験者に関しては、運転頻度とVFITとの成績に相関があることが明らかとなり、この結果を平成21年9月の日本神経心理学会において報告した。昨年に引き続き、本年度も研究代表者および研究協力者の藤田、山本は第2回の「運転と認知機能研究会」を平成21年11月に昭和大学で開催した。医師、作業療法士、臨床心理士、認知科学者、工学者をはじめ、多職種の参加を得て、活発な意見交換がなされた。また、平成22年1月には、国土技術センター主催の「認知症高齢者とまちづくり」シンポジウムが行われ、本研究の成果の一部を認知症ドライバーの問題として報告した。
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