研究課題
統合失調症は多くが若年発症し長期にわたり様々な支障をきたす精神障害である。統合失調症の発症危険状態(At Risk Mental State:以下ARMS)の診断方法の確立を目指して様々な研究が進められているが、偽陽性も多くより適切な診断基準の確立が望まれている。申請者らは東邦大学医療センター大森病院(以下大森病院)、東邦大学医療センター大橋病院(以下大橋病院)2007年6月から調査を行った。精神科初診の臨床例を対象にスクリーニング検査(PRIME-J screen)を施行し、陽性となった者の中から、統合失調症者、初老期以上の高齢者、薬物依存症患者、難聴等による検査不能者を除外した群に対しSIPS/SOPSを施行しARMSの診断をした。また、同意が得られた場合は更に予後予測因子の抽出のため病識、社会機能、QOL、DSM-IVに基づく診断など様々な角度から調査しコホート調査の土台とした。PRIME-Jについては2009年3月までの22ヶ月間3004人(内訳:大森病院2053名、大橋病院951名)に施行し、その内陽性者が527名(内訳:大森病院394名、大橋病院133例)であった。施設ごとの検査施行数に対するPRIME screen陽性者の割合は、2施設合計17.5%(内訳:大森病院19.2%、大橋病院14.0%)であった。更に報告書作成時点までにSIPS/SOPSによってARMSと診断された者が2施設合計で42例見出された。そのうち6ヶ月以上経過した者が31名おり、3名が転居、6名が脱落し、治療を継続した22名のうち精神病を発症した者が4名(内訳:統合失調症3名、統合失調感情障害1名)おり、精神病発症率は18.2%、統合失調症発症率は13.6%であった。
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http://www.lab.toho-u.ac.jp/med/omori/mentalhealth/