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本研究の目的は、マーモセットを用いて社会性行動における遺伝子/環境-行動連関の分子基盤を明らかにすることであり、最終年度である本年度は以下の研究成果を得た。
1.マーモセット遺伝子型と分子機能に関する表現型
社会性に関連する分子について研究所内で繁殖飼育されたマーモセットの遺伝子多型を確認した。同個体を用いた無麻酔下のmicroPET撮像方法にて、[^<11>C]DASB、[^<11>C]VOR、[^<11>C]PE21を用いた脳分子イメージングを行い、セロトニントランスポーター、エストロゲン合成酵素、ドパミントランスポーターの脳内局在活性を明らかにした。これらの結果は、2.における行動指標との関連解析に用いた。
2.マーモセットの社会性行動に関する表現型
新奇個体との直接対面時の行動指標の因子分析の結果、攻撃性、不安、社交性の3因子が抽出された。それぞれの因子スコアと遺伝子多型との関連性を調査した。また、それぞれの因子スコアとセロトニントランスポーターおよびドパミントランスポーター結合活性の間に相関が認められる部位を画像統計法(SPM)によって明らかにした。
3.マーモセットの遺伝/環境要因相互作用
人工哺育(親子分離)の個体(3ヶ月齢、5ヶ月齢および12ヶ月齢)を用いた同種個体相互対面時の行動観察により、人工哺育と親哺育の個体で社会行動に差が生じることが明らかとなった。18ヶ月齢以上の個体を用いて、無麻酔下のmicroPET撮像方法にて[^<11>C]DASBを用いた脳分子イメージングを行い、セロトニントランスポーターの脳内局在活性と社会行動異常との関連性、および遺伝的背景と養育環境の相互関連性を明らかにした。
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