研究課題
1)冠血管内皮機能計測検査法の確立:寒冷刺激時の最大血流反応を計測するために酸素標識水PET撮像開始時間は負荷による心仕事量が最大となった時点とする必要がある。安静時Rate pressure product(RPP)6603.6±3123,寒冷刺激1分:9976±3123(P<0.05vs. Rest),2分10318±3246(P<0.05vs. Rest),3分:9869.5±3066(P<0.05vs. Rest),4分:9497±2187(ns vs. Rest).以上から心仕事量が安静時より有意に増加し最大反応を呈するのは負荷1分後であることが明らかになり、撮像開始時間は負荷開始1分後とした。さらに本負荷法の再現性は良好であり(R=0.721,P=0.0186)、最適な検査法であることを検証した。2)^<15>酸素標識水心筋血流解析プログラムの改良:酸素標識水画像データから一酸化炭素ガス画像による左室内血液プール画像を引くことで左心室の心筋を抽出する自動プログラムを開発したが、加えて血液内放射能による影響を軽減する過程を追加し、プログラムの安定化を図った。今後MATLAB形式等への移行を目指し、より汎用性のあるプログラムへ更なる改良を行う予定である。3)健常者および喫煙者における心筋血流予備能および冠血管内皮機能計測:10名の喫煙者の冠血管機能を10名の健常対照者と酸素標識水PETにて比較検討を行った。安静時の心筋血流量は両群で差はないが血管拡張薬負荷時の心筋血流量は喫煙者で有意に低下していた(2.22±0.68vs. 3.37±0.59ml/g/min,P=0.0015)。また寒冷刺激時の心筋血流増加予備能も喫煙者では健常者より有意に低下していた(0.78±0.14vs. 0.95±0.14,P=0.021)。酸素標識水PETに血管拡張薬および寒冷刺激試験を組み合わせることで冠動脈の早期動脈硬化病変を検出することが可能となった。
すべて 2007
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