研究課題/領域番号 |
19591406
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研究機関 | 独立行政法人放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
金 朝暉 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 研究員 (70324150)
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研究分担者 |
藤林 康久 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 教授 (50165411)
古川 高子 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, チームリーダー (00221557)
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キーワード | RGDペプチド / インテグリン / 腫瘍イメージング / マルチモーダルイメージング / optical imaging / PET imaging |
研究概要 |
【研究の目的】細胞接着分子の一つであるインテグリンαvβ3は血管新生、悪性腫瘍の増殖、進展及び転移に深く関与する。血管新生時の血管内皮細胞及び一部の腫瘍細胞ではαvβ3が高発現し、腫瘍イメージングの重要なターゲット分子の一つであると認められている。αvβ3にはRGD(アルギニン・グリシン・アスパラギン酸)の3つのアミノ酸を持つ環状ペプチドが特異的に結合する。本研究では、新しく開発された環状RGDの四量体(RAFT-(cRGD)4を用い、放射性金属標識によるPETイメージング、又はPETを中心とするマルチモーダルイメージングの可能性を検討することを目的とした。 【研究実施計画及び今までの結果】1.細胞:ヒトembryonic kidney cell line HEK293に、ヒトインテグリンβ3subunit発現ベクター導入したHEK293(β3)細胞(αvβ3 positive)、ヒトインテグリンβ1subunit発現ベクターを導入したHEK293(β1)細胞(αvβ3negative)、及びαvβ3-positiveヒトglioblastoma細胞U87MGを用いた。2.腫瘍モデル:それの培養細胞を免疫不全マウスの皮下の移植した腫瘍モデルを作製した。3.蛍光色素Cy5標識したRAFT-(cRGD)4の取り込み実験:Cy5-RAFT-(cRGD)4の培養細胞への取り込みはconfocalレーザー顕微鏡を使用した検出した。上記の腫瘍モデルを用いて、Cy5-RAFT-(cRGD)4をマウス尾静脈に注射してからMaestro In-Vivo Imaging Systemを使って、optical imagingを行った。その結果、in vitro及びin vivo実験のいずれにおいても、RAFT-(cRGD)4がαvβ3に特異的に結合することが確認できた。4.放射性金属標識RAFT-(cRGD)4の開発:RAFT-(cRGD)4に61Cu或いは64Cu標識条件も検討した。20年度に標識条件をさらに検討する必要性がある。標識能の高い61Cu又は64Cu標識RAFT-(cRGD)4が得られたら、RAFT-(cRGD)4-CyclamのPETイメージング剤として腫瘍モデルでの評価をする。さらに、蛍光色素と放射性金属の両方を標識できるようなRAFT-(cRGD)_4分子を設計・合成し、PETを中心とするマルチモーダルイメージングの可能性を検討する。
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