研究課題/領域番号 |
19591414
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
高橋 雅士 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (20179526)
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研究分担者 |
新田 哲久 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (40324587)
村田 喜代史 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20127038)
永谷 幸裕 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (80402725)
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キーワード | フラットパネル / コーンビームCT / CT / 肺 / 低線量 |
研究概要 |
1) 立位・臥位における肺野血流の解析 肺悪性腫瘍17症例に対して吸気・呼気で2回肺野を撮影した。肺野血流の評価に、肺野濃度と中枢側の動静脈径を用い、肺野濃度はCT値に近似した値(以後CT近似値)を用いた。大血管や中枢側の気管支を除いた肺野を胸骨後縁と椎弓前縁の中間線で腹側と背側に二分割し、右横隔膜頂点と右肺尖の空間を等しく分割する1mm厚の15水平断面で、腹側域・背側域別に、CT値ヒストグラムの平均値・半値幅、ROIの面積を解析ソフトImage Jで解析し、気・呼気で比較を行った。両側上肺野の一部を除き腹側面積は仰臥位CTが座位CTより大きく、右中下肺野では、吸呼気ともに座位CTでほぼ腹側・背側面積比は一定であった。吸気CTでは座位・仰臥位ともに、CT値のばらつきは腹側で小さかった。背側域と比較し、腹側域では、仰臥位で平均CT値は小さく、座位で大きかった。重力効果が常に背側に及ぼされる仰臥位では、腹側での換気が優位となる。座位ではその影響がなく、背側での換気が優位となるため血流が腹側より相対的に増加するが、腹側域での平均CT値が背側域より大きく、腹側域での肺胞虚脱の影響が強いと推測された。 2) 肺野結節描出能の検討 胸部FPD-CTと胸部単純X線写真(CXR)両者を撮影した72症例を検討した。計47個の肺内結節について、4名の放射線科医による結節性病変の検出感度、陽性予測値を検討した。またROC解析を行い、個々のモダリティーの結節検出能を比較した。FPD-CT、CXRの結節検出感度はそれぞれ、68.6%, 26.6%で有意に(P<0.05) FPD-CTが優れていた。1cm以下の感度は、それぞれ51%、11%であった(P<0.05)。ROC解析では、曲線下面積はFPD-CT, CXRでそれぞれ0.9826±0.0062、0.7400±0.0800であり、FPD-CTが検出能に優れていた。FPD-CTは胸部単純X線写真の正側撮影の線量と同等の線量で、高い結節の検出能を有することが証明された。
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