研究概要 |
1)肺野結節の検出能について、昨年に引き続きデータの解析を行った。一週間以内にFPD-CTと胸部単純X線写真正面像を撮影した72症例において、結節を有していた31症例、47個を検討の対象とした。FPD-CTは、症例ごとに、両側下葉胸膜下域の血管陰影が認識できるように表示条件(Window レベル、Window 幅)を調整し、5mm厚・5mmピッチの画像を20分割でフィルム出力した。FPD-CTは、2名の放射線科医(経験年数8及び9年)の読影により合意された47結節をgolden standardと決定した。5名の放射線科医が独立して、72例のフラットパネルディテクターCT水平断像、及び胸部単純X線写真(正面像)で結節性病変の有無を評価した。FPD-CT及び胸部単純X線におけるgolden standardと決定された47結節の検出感度及び陽性予測値を、各読影者ごと及び5人の読影者全員において算出した。FPD-CTと胸部単純X線写真の感度、陽性予測値は、それぞれ68.6%,0.642,26.6%,0.427で、1cm以上と未満では、感度はFPD-CT,胸部単純X線写真において、それぞれ88.6%,51.0%,45.5%,11%であった。ROCでのAUCは、FPD-CT、胸部単純X線写真においてそれぞれ、0.9826±0.006295%信頼区間0.0141,0.7400±0.0880,95%信頼区間0.1866であった。胸部単純X線写真正面像で検出不良であった1cmより大きい結節は、縦隔陰影に重なる領域に存在しているものが多かった。また、GGOも胸部単純X線写真正面像で検出不良のものが多かった。 2)上記結果について、英文論文を作成し、投稿した。
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