本研究の目的はラジオ波焼灼術(Radiofrequency ablation=RFA)のさらなる成績向上のため経動脈塞栓術(transcatheter arterial chemoembolization=TACE)との併用療法の最適プロトコールを実験で明らかにすることである。平成19年度の実験ではスポンゼルを用いたTACEとRFAの併用療法群が、RFA単独治療群、あるいはスポンゼルを用いない抗がん剤動注とRFA併用療法と比較して大きな凝固範囲が得られることが明らかとなった。臨床応用としては、3cm以下で全肝に3個までの小肝細胞癌をもつ症例において、TACEとRFA併用群とRFA単独群において、治療効果(complete treatment effects)の比較、局所再発率(local tumor progression)の比較を行っている。約40例の比較検討では、治療効果、局所再発率に今までのところ有意差は認められなかった。さらに検討を進めて行きたい。
|