研究概要 |
本研究の目的はラジオ波焼灼術(Radiofrequency ablation=RFA)のさらなる成績向上のため、経動脈塞栓術(Transcatheter arterial chemoembolization=TACE)との併用療法の最適プロトコールを明らかにすることであるが、基礎実験ではスポンゼルを用いたTACEとRFAの併用療法群が、RFA単独治療群、あるいはスポンゼルを用いない抗がん剤動注とRFA併用療法と比較して大きな凝固範囲が得られることが明らかになった。平成20年度は継続して行っている臨床研究を続けている。内容は3cm以下で全肝3個までの小肝細胞癌をもつ症例において、TACEとRFA併用群(46例、49結節)とRFA単独群(43例、44結節)において、治療効果(complete treatment effects)の比較、局所再発率の比較を行った。結果は治療効果は両群ともに100%,局週再発率(1年、2年、3年、4年)はTACEとRFA併用群vs. RFA単独群=14.4%, 17.6%, 17.6%, 17.6%vs. 11.4%, 14.4%, 14.4%, and 14.4%と両群において有意差は認められなかった(p=.797, by using log-rank test)「Shibata T, et al. Radiology in press」。われわれの研究では基礎実験と臨床結果にかい離が認められた。
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