研究課題/領域番号 |
19591416
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
下瀬川 恵久 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (30370258)
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研究分担者 |
畑澤 順 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70198745)
井上 修 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50159969)
村瀬 研也 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50157773)
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キーワード | 薬物動態 / ポジトロン / マイクロドージング / 脳 |
研究概要 |
前年度にひきつづき、対向型ポジトロンイメージング装置と陽電子放出核種標識放射性トレーサを用いて、医薬品の体内動態を解析する手法を確立することを目的に、1)アルツハイマー病やレビー小体病などの認知症治療薬である医薬品(11C-donepezil)の標識合成技術の開発、2)マイクロドージング(100μg以下)における静脈投与時の動態解析を行った。 本装置の感度や画像均一性に関する報告は既に行っている(Hasegawa Y, et al. Ann Nucl Med2008;22:301-307.)。 11C-donepezil(7MBq)を標識合成し、ラット(雄、200〜250g、n=6)の精巣静脈からボーラス投与し、投与直後から対向型ポジトロンイメージング装置で全身動態撮像を20分間行った(1画像/1秒×120回+1画像/6秒×80回+1画像/12秒×50回)。動態撮像に引き続き、1画像/12秒×100回の全身静態撮像も施行した。標的臓器である脳、および主な代謝臓器である肝臓、排泄経路である腸管、腎臓に関心領域を設定し、放射能の経時的変化を解析した。投与直後には、肺、脳へのRI集積が観察され、10分以降は肝臓にも分布した。投与20分以降には肝臓から胆道系を介して十二指腸への排泄、腎臓から膀胱への排泄が観察された。投与20分後では投与放射能の1.5%が脳に集積した。 今年度に確立した医薬品の標識合成技術と撮像装置の定量性評価により、PETマイクロドーズ試験を行うための基盤技術の整備、評価法の妥当性が検証された。
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