研究概要 |
市販のステント,過去に市販されたステント,メッシュ状のステント,その他色々な形状のステントを有限要素法において作成し,それを体内に挿入しRF磁場を印加したときの磁束密度分布をシミュレーションにより求めた。これらシミュレーションにおいて市販のステントにおいてはステント内部のRF磁場が減弱することが示された。しかしRF磁場にたいして誘導電流が生じにくいように工夫されたステントにおいてはステント内部のRF磁場の減弱は示されなかった。これらのステントをワイヤーを用いて作成したが,微細な形状を模擬することができなかった。このことから,銅箔をエッチングすることにより体内に挿入するステントと同じ微細構造のステントを多数作成した。それを人体等価MRI用ゲルファントムに埋没し,1.5TMRI装置により撮像を行った。模擬ステントを固形のファントムに挿入しているため,ステントの方向とMRI装置の静磁場の方向を任意に設定することが可能となった。また色々なパルスシーケンスにおいて,得られた画像の比較が可能となった。その結果,市販されているステントの形状を模擬したステントでは,内部内部が黒く描出された。しかし,シミュレーションにおいてステント内部のRF磁場が減弱されなかった形状を有する模擬ステントでは,ステント内部を描出することができた。 この実験結果を踏まえて,ステント内部を可視化できるステントの特許申請を行った。(発明の名称:磁気共鳴映像法において内部が観察可能なステント)
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