研究概要 |
頭部,冠動脈,胆道,その他の管腔臓器が狭窄した場合,メッシュ状の金属製の筒(ステント)を患部に挿入し,流通を確保する治療が行われる。治療後ステント内部の再狭窄を診断することが必要であるが,X-CT,またMRIにおいても内部を観察することはできない。本研究は,MRIにおいてステント内部が観察できない原因は外部からの交流磁場によって金属製ステントに誘導磁場が発生し,それによってステント内部の磁場が弱くなるこが原因であること有限要素法を用いたシミュレーションで明らかにした。その結果から,ステントをソレノイドコイル状に形成し,このステントの中心軸を交流磁場と垂直に配置することにより,ステントの内部を可視化できることを理論的に示した。理論をもとにソレノイドコイル状のステントを作製し,MRIで観察したところ,ステントの内部を観察することができた。
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