研究課題/領域番号 |
19591420
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
西山 佳宏 香川大学, 医学部, 教授 (50263900)
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研究分担者 |
山本 由佳 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (30335872)
土橋 浩章 香川大学, 医学部, 助教 (50380176)
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キーワード | F-18 FDG / PET検査 / 膠原病 / 活動性評価 / 治療効果判定 |
研究概要 |
癌の診断においてF-18FDG PETは非常に有用であるが炎症巣に集まることは偽陽性となり診断能の低下につながる。膠原病は様々な多臓器障害と免疫異常を特徴とし、リウマチ熱を除いては、非腫瘍性、非感染性の全身性炎症性疾患である。全身性炎症性疾患である膠原病患者で、F-18FDGを用いてその炎症巣を検出することは非侵襲的で役立つものと思われる。 また、皮膚筋炎や多発筋炎、シェーグレン症候群は高率に悪性腫瘍を合併する危険のある患者にはF-18FDG PETの様な非侵襲的にしかも感度よく悪性疾患を描出する検査法は非常に有効であると思われる。そして悪性腫瘍の検出と同時に自己免疫疾患である他の炎症性疾患の合併をF-18FDG PETで検出することは全身性炎症性病巣評価のためにも役立つ。しかも、膠原病は全身の炎症性疾患で緩解と増悪を繰り返し、その治療を継続すればよいのか、ステロイドや免疫抑制剤に変更すればよいのかの判断が難しい。F-18FDG PETで定量的検査が行え活動性炎症巣が数値化して経過観察できれば、患者個人の経過観察のみならず、治療効果良好群と治療効果不良群に分け患者群の予後推定に役立つ事もある。癌の診断においてF-18FDGの欠点としてよくあげられることが活動性炎症巣に集まることである。しかし、これは逆に考えれば炎症巣の診断には役立つことで、実際様々な検査を行ったにもかかわらずその感染源が分からない症例にF-18FDG PETが有用であった症例も経験される。
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