研究課題/領域番号 |
19591421
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
山本 由佳 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (30335872)
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研究分担者 |
西山 佳宏 香川大学, 医学部, 教授 (50263900)
羽場 礼次 香川大学, 医学部附属病院, 准教授 (90304584)
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キーワード | F-18 FDG / F-18 FLT / PET検査 / 肺癌 / 分子イメージング |
研究概要 |
PET検査で汎用されているF-18 FDGは確かに癌の診断に有用であるがいくつか問題もある。まず、F-18 FDGは癌の分化度によって集積程度が異なることが知られており、例えば高分化型肺腺癌の様に分化度の高い肺癌ではF-18 FDG集積が指摘できない場合がある。逆に肺炎や肺膿瘍といった良性疾患にもかかわらず非常に強いF-18 FDG集積を示すことがある。一方、F-18 FLTは核酸の一つであるthymidineをF-18標識したもので、F-18 FLT集積と免疫染色で分かる癌細胞分裂能の指標であるKi-67の割合が良好な相関を示す報告がある。また、F-18 FLTの細胞内挙動はthymidine kinaseによって代謝されF-18 FLT-5リン酸になり細胞内に蓄積される。このthymidine kinaseは癌細胞に特異的で炎症細胞には少なく肺炎など炎症疾患と肺癌の鑑別に役立つと思われる。今回の研究目的は肺癌におけるF-18 FDG PETの問題点を分子イメージング薬剤として注目されているF-18 FLT PETを用いてその有用性を比較検討し、また、抗癌剤や放射線の治療効果判定や治療効果予測にF-18 FLT PETが有用か否かを検討することである。F-18 FLTは核酸のthymidineを標識したものであるが、さらに新たな核酸標識薬剤の研究開発につながる可能性もある。たとえば別の核酸であるUridine、Guanine等をポジトロン核種で標識合成したものは存在するものの臨床応用されたものはまだない。このような核酸標識薬剤の臨床応用につながり、分子イメージングとしてPETがさらに広がる可能性もある。
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