急性心筋梗塞症例のうち、急性期に心機能および心筋生存能の精査目的に1.5テスラMRI心臓撮像を行い、かつ、慢性期に心機能および心筋生存能の精査目的に3テスラMRI心臓撮像を行った症例を対象とした。3テスラMRI装置は、GE Healthcare製の3テスラMRI装置であるSigna EXCITE HD3.OTを用いた。コイルは心臓用8チャンネルコイルを用いた。撮像は心臓領域のチューニング、左心室の位置決めの後、シネモードMRI撮像、タギング法シネMRI撮像、引き続いて症例によっては心筋血流撮像を行い、最後に後期造影撮像を行った。 MRI DICOMデータをオンラインの一般的な画像解析ワークステーションへ転送し、その後オフラインでPCワークステーションに転送して、HARP (Harmonic phase)法を基礎とするプログラミングを行い、ゆがみの指標であるStrainを解析して算出した。この際、計算アーチファクトが多くなることを防止するためにGabor Filterフィルタを開発した。 3テスラMRI装置で撮像したすべての症例で心周期の最後までタグが持続することを確認した。Gabor Filterを用いたHARP法解析により、心周期のすべてにおけるRadial Strainの解析が可能であり、視覚的評価では認識できない壁運動の異常が明らかになった。 研究者らの解析結果は心周期のすべてに渡ってRadial Strainを算出してグラフ化する手法であり、これは世界発の画期的な成果である。
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