研究課題/領域番号 |
19591426
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
肥合 康弘 熊本大学, 医学部, 助教 (40404339)
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研究分担者 |
山下 康行 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (60220349)
平井 俊範 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 准教授 (40274724)
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キーワード | MRI / MRA / 動脈瘤 / 3DTOF / 3テスラ |
研究概要 |
3Tの磁場強度を持つMRI装置が臨床に使用されるようになり画質が大きく変化している事が報告されている。それによってMR Angiographyによる血管描出能がどの様に変化したか、また、最適な撮像条件は1.5Tと比較して差異があるかを把握することは重要である。今回の研究は、昨年研究助成を受けた若手研究(スタートアップ)に引き続き行っているものであり、本年度は、特に3DTOFMRAでの頭部動脈瘤の描出能の変化をファントムを用いて比較検討した。それぞれの磁場強度で最適な撮像パラメータを検討し、磁場強度による比較を行った。 今回、1〜5mmの大きさの異なる動脈瘤の評価を行った。撮像パラメータとしては、マトリックス数および撮像時間を中心として検討したが、1.5Tでは、256×256マトリックス以下の評価が高く、それ以上にすると評価が下がったのに対し、3Tでは逆に、256×256での評価は1.5Tと差が少なかったが、それ以上のマトリックス数に設定する事により評価が高まった。動脈瘤のサイズとしては、1mmの動脈瘤は両磁場強度とも描出できなかったが、2mm〜3mmの小さい動脈瘤で特に磁場強度による差が大きく、3Tでマトリックス数を増やし高分解能撮像を行う事により、より描出能を高くすることができた。撮像時間も3Tではパラレルイメージングを併用し4分程度で十分な描出能を確保できた。また、高磁揚化によりサセプタビリティーアーチファクトの増加で治療用のプラチナCoilによる画質の劣化が考えられるが、TEを、1.5Tで通常使用しているOut-of-phaseである6.5msec程度を、3TでのOut-of-phaseである3.3msec以下に短縮し、高分解能撮像することにより、アーチファクトを軽減し、1.5Tより残存動脈瘤の描出能を向上させる事ができた。次年度は、狭窄ファントムを用いた躯幹部四肢領域のMRAの評価を行う。
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