研究概要 |
近年の磁気共鳴画像(MRI)の発達により拡散強調画像(diffusion-weighted image; DWI)を用いた神経線維の走行を描出することが可能となった[Mori S, et. al. Ann Neurol 1999]。この手法はfiber trackingやtractographyと呼ばれ臨床応用が進んでいる[Kunimatsu, et. al. Neuroradiology 2003,Okada, et. al. Radiology 2006]。しかし,この手法には限界があり、交差線維を乗り越えて追跡できないことが知られている。このため、この手法で描出される神経線維はあくまでも、全体の一部であることに注意する必要があった。当施設では従来のsingle-tensor modelのtractographyとは異なるmulti-tensor tractographyの導入[Frank, MRM 2002]を試み,この問題解決の糸口を見つけるべく研究を進めている。 初期的な検討では従来の方法と比べmulti-tensor法がより多数の神経線維束を描出可能であることが判る。しかしこの手法は未だ成熟したものとはいいがたく,さらなる詳細な検討が必要である。
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