本研究の目的は、担癌マウスをモデルとして、その原発巣からリンパ節への腫瘍関連遺伝子の移行経路をRIと光との双方の特性を利用して、in vivoにてイメージング(ジーンイメージング)することにある。当該の腫瘍に過剰発現するmRNAに対するアンチセンスシークエンスを有するオリゴヌクレオチド(ASODN)を放射性核種(RI)、Tc-99m、および蛍光にて二重標識する。これを担癌マウスの原発巣、さらには、リンパ節への流れをRIと蛍光とで追跡する。 研究はモデルとして、腫瘍特性と遺伝子情報の構築されている腫瘍細胞として多剤耐性遺伝子、mdr1に関係している細胞KB-3とKB-G2とmdr1に対してアンチセンスシークエンスを有するASODN:mdr、乳癌遺伝子、HER2に関係している細胞MDA-MB-231とSK-BR-3とHER2に対してアンチセンスシークエンスを有するASODN:herを用いた。本年度は平成19、20年度に得た成果をもとに、当該の方法をセンチネルリンパ節の画像診断に用いる可能性を追求し、以下の結果を得た。 (1)《蛍光-ASODN:mdr》が、腫瘍に多く、長時間集積するドラッグをデザインした。 (2)(1)の結果から、センチネルリンパ節検出を目的とした薬剤として、《蛍光-ASODN:mdr》を使用できることが明らかになった。 (3)(1)の結果をもとに、《Tc-99m-ASODN:her-抗体-ナノ粒子》を蛍光標識し、細胞実験を行い、蛍光強度もTc-99mの放射能も特異的に、高く、長時間、集積することを明らかにした。
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