研究課題/領域番号 |
19591442
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研究機関 | 川崎医療短期大学 |
研究代表者 |
原内 一 川崎医療短期大学, 放射線技術科, 准教授 (20243256)
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研究分担者 |
梶原 康正 川崎医療短期大学, 放射線技術科, 教授 (60030912)
北山 彰 川崎医療短期大学, 放射線技術科, 准教授 (50161500)
荒尾 信一 川崎医療短期大学, 放射線技術科, 准教授 (40212609)
天野 貴司 川崎医療短期大学, 放射線技術科, 講師 (90249558)
林 明子 川崎医療短期大学, 放射線技術科, 講師 (30300403)
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キーワード | 1方向X線入射解析 / 三次元再構成 / 立体DSA / 回転DSA |
研究概要 |
通常被写体内の3次元構造を、X線を用いて幾何学的解析するには、1方向のX線入射ではそのX線入射軸に直交する座標平面上の2次元幾何学情報しか得られないために、最低でも2方向のX線入射を必要とする。我々は、1方向のX線入射の2次元情報に不足する、X線入射軸に平行な座標軸情報を、関心領域の拡大率で補完することで、1方向のX線入射だけで血管走行の三次元再構成を可能とする理論を構築した。この拡大率を求めるために、我々はDSA動画を用いることで時間情報、および投影画像内の造影剤の分布状態を解析することで求める造影剤の希釈(ヨード含有率)情報などの付帯情報を利用している。1方向のX線入射だけで血管走行の三次元再構成を可能としたということは、高額な装置である回転DSAのようにX線管を被写体の周囲を回転させなくても、X線管を固定した通常のDSAを使用し、市販の1台のパソコンで立体DSAを再構成することが可能となったことを意味する。 また、より立体DSAの再構成の精度を向上させるために、演算処理の中で重要な線減弱係数をルックアップテーブルで補正を繰り返す収束近似法の開発も行った。三次元再構成理論は単色スペクトルの考え方を連続スペクトルに応用したものであるため、被写体内の線質硬化が問題となり、線減弱係数の値が被写体内の位置で変化することが三次元再構成の精度に影響する。この収束近似法は、その線質硬化の影響を打ち消すものである。そして、その結果、演算結果と真値との誤差の総和(12[方向]、20[測定ポイント/1方向])である累積二乗誤差は、繰り返し演算回数10回で10mm^2以下となった。
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