研究課題/領域番号 |
19591443
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研究機関 | 独立行政法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
渡辺 英宏 独立行政法人国立環境研究所, 化学環境研究領域, 主任研究員 (60370269)
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研究分担者 |
三森 文行 独立行政法人国立環境研究所, 化学環境研究領域, 室長 (90125229)
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キーワード | 磁気共鳴装置 / グルタミン酸 / γ-アミノ酪酸 / ヒト / 脳 / CT-PRESS / MRS / 代謝物 |
研究概要 |
グルタミン酸は、ヒト脳内の主要な興奮性の神経伝達物質であり、γ・アミノ酪酸は、主要な抑制性の神経伝達物質である。これらは、神経変性疾患や精神神経疾患との関連が指摘されており、例えばグルタミン酸はアルツハイマー病との関連が、そしてGABAは分裂病やてんかんとの関連が指摘されている。しかしながら、従来の手法ではこれらの代謝物を検出することは困難であった。これに対して、我々はこれまで4.7TMRI装置上でin vivo2Dスペクトロスコピー法である局所励起2次元Constant Time COSY(2D CT COSY)法を提案、開発し、この方法によってヒト脳内でこれらのピークが取得でき、定量化できることを示してきた。本研究では、この方式を発展させ、in vivo2Dスペクトロスコピー法の高感度化、高速化および網羅的、総合的定量化を目的とする。 本年度は、この中で、in vivo2Dスペクトロスコピー法の高感度化を目的として研究を行った。具体的には、スピシエコー成分のデータ取得のため高感度化が期待できる2D CT PRESS法について検討した。この結果、これまでに報告されている方法に対して、データ収集法、後処理法について改良を施す必要があることがわかった。この改良法を開発し、脳代謝物模擬試薬を用いて実験を行い、グルタミン酸、γ-アミノ酪酸、グルタミンのピーク分解ができ、CT COSYスペクトル上のピークに対して2.24倍のSNRであることが確認できた。ヒト脳にても、上記ピーク分解が可能で、1.7倍の感度を得ることができた。
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