研究課題/領域番号 |
19591448
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研究機関 | 国立循環器病センター(研究所) |
研究代表者 |
佐藤 博司 国立循環器病センター研究所, 先進診断機器開発室, 室長 (30399604)
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研究分担者 |
飯田 秀博 国立循環器病センター研究所, 放射線医学部, 部長 (30322720)
渡部 浩司 国立循環器病センター研究所, 放射線医学部, 室長 (40280820)
林 拓也 国立循環器病センター研究所, 放射線医学部, 室長 (50372115)
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キーワード | 画像診断学 / 脳灌流 / MRI / 酸素同位体 / 造影剤 |
研究概要 |
同位体水H_2^<17>Oの濃度別(自然同位体比-0.7atm%)ファントムを作成し、高磁場臨床用MRI装置において、プロトンの縦緩和時間T_1、横緩和時間T_2、実効横緩和時間T_2*の定量測定を行った。 T_1の濃度依存性はほとんど認められないのに対し、T_2は濃度に対し対数的に減少した。T_2*も同様の傾向を示したが、同位体水の量やファントムの材質、構造などに由来するアーチファクトのため、誤差が大きくなった。さらに回転座標系における縦緩和時間T_<1p>の検討を行った。T_<1p>を定量可能なスピンロックパルスシーケンスを開発した。エコープラナー法で撮像、画像再構成を行うことにより、高速化が可能であり。またショット数を増大させることにより、ファントムによる定量的な評価が可能である。スピンロックのパワーを増大させ、^<17>OとHの横磁化スカラーカップリングを弱め、またパワーをコントロールすることにより、T_<1p>ディスパーションを観測することができた(0.7atm%において670-1240ms、自然同位体比において4074-1638ms)。臨床用のヘッドコイルを用いた実験では、濃度別のファントムのT_<1p>が依然と解離しており(1.2-1.6秒)、臨床用MRIにおけるRFパワーアンプの限界が示唆された。感度的にはT_<1p>による検出が有利との報告があるが、送信系パワーや人体に対する安全性の問題もあるため横緩和による計測も視野に入れ、多角的に物理パラメータを測定する系が整い、生体に応用する基盤が整った。
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