細胞は当大学にて凍結保存されている株細胞で、ヒト肺腺がん由来A549細胞、中国ハムスターV-79細胞、マウス線維芽細胞由来L細胞を使用した。 各種抗がん剤を種々の濃度で37℃、40℃または44℃で処理した。 各種抗がん剤を種々の濃度で37℃で処理し、その前後に温熱療法を一定時間行った。 抗がん剤を一定の濃度で処理し、その前または後に40℃の温熱を種々の時間行った。 温熱(40℃または44℃)の時間を一定にしてその前または後に放射線をいろいろな線量で照射した。 44℃加温におけるA549細胞の温熱致死感受性T0値は12分であった。44℃加温に抗がん剤Amrubicinol(AMROH)をsequentialに併用することにより、生存率曲線における亜致死的温熱障害の回復sublethal thermal damage repair(SLTDR)を示す肩の部分が消失し、相加的増感効果が認められた。40℃加温におけるL細胞の温熱致死感受性T0値は23.7時間であった。40℃加温に抗がん剤BlBleomcin(BLM)をsequentialに併用すると、40℃加温後にBLMを併用した場合は増感効果はわずかであったが、BLM処理後に40℃加温すると相加的効果を上回る増感効果が認められた。 A549細胞に放射線を照射した場合の放射線致死感受性D0値は2.35Gyであった。抗がん剤Amrubicin(AMR)で3時間処理後に放射線を照射するとD0値は1.7時間に短縮した。抗がん剤AMROHで処理後に放射線照射するとD0値は1.5時間に短縮を認めた。
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