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2007 年度 実績報告書

転写因子NF-κB阻害剤パルテノライドによるアポトーシス誘導促進機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19591456
研究機関福井大学

研究代表者

林 幸子  福井大学, 医学部, 助教 (00218570)

研究分担者 松本 英樹  福井大学, 医学部, 准教授 (40142377)
キーワードアポトーシス / NF-κB / パルテノライド / A549細胞 / 放射線増感効果
研究概要

癌温熱療法における温熱感受性について細胞死に関与する転写因子NF-κBをターゲットとする生薬の成分Parthenolide(PTL)を用いて温熱低感受性のwtp53遺伝子を有するヒト肺腺癌A549細胞における温熱増感効果を検討した。また温熱耐性誘導物質hsp70蛋白およびアポトーシスに関与するp53蛋白の誘導動態を解析し、PTLのNF-κB機能のシグナル伝達経路を介した温熱増感効果への影響を解析した。
A549細胞においてPTL及びハイパーサーミアは共に温熱生薬増感効果を示した。western blot法によるhsp72蛋白は加温単独により著しく誘導されたがPTL単独によっては誘導されなかった。PTL併用によって温熱単独と比較し有意な誘導抑制が見られなかった。またp53蛋白は加温により誘導されたがPTL単独により誘導されなかった。さらに加温にPTLを併用してもp53誘導の増加は見られなかった。アポトーシス誘導動態はPTL単独で著しく誘導され、PTLと温熱との併用によっても相乗的に誘導され温熱単独の約4倍であった。
変異型K-ras遺伝子及び野生型p53遺伝子を有する温熱抵抗性のヒト肺腺癌A549細胞における温熱感受性はPTLを併用することにより相乗的な増感効果が認められた。NF-κB活性の抑制によるアポトーシス誘導はPTLと温熱を併用することにより有意に増加した。温熱耐性誘導に関与するhsp72蛋白は温熱単独とPTL併用とを比較した結果、誘導量は同程度で有意差は認められなかった。またアポトーシス誘導に関与するp53蛋白についても同様の結果となった。以上のことからPTLによる温熱増感効果は温熱耐性誘導物質hsp72を抑制するのではなくNF-κBの活性を抑制してアポトーシスを誘導することにより、その経路にp53遺伝子は関与しないことが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Thermosensitization by parthenolide in human lung adenocarcinoma A549 cells and p53-and hsp72-independent apoptosis induction via the nuclear factor-κB signal pathway.2008

    • 著者名/発表者名
      S Hayashi, et. al.
    • 雑誌名

      Int. J. Mol. Med. 21

      ページ: 585-592

    • 査読あり
  • [学会発表] ヒト肺癌A549細胞におけるNF-κB阻害剤Parthenolideの温熱増感効果2007

    • 著者名/発表者名
      林 幸子
    • 学会等名
      日本放射線影響学会 第50回大会
    • 発表場所
      千葉市
    • 年月日
      2007-11-15
  • [学会発表] ヒト肺癌A549細胞におけるNF-κB阻害剤Parthenolideの温熱増感効果2007

    • 著者名/発表者名
      林 幸子
    • 学会等名
      日本ハイパーサーミア学会 第24回大会
    • 発表場所
      前橋市
    • 年月日
      2007-09-14
  • [学会発表] The relation of p53 status to the radio- or thermo-enhancement effect by Adriamycin(ADM)in human lung adenocarcinoma A549 cells and kinetics of apoptosis and hsp72 protein.2007

    • 著者名/発表者名
      S. Hayashi
    • 学会等名
      13th Int. Congr. Radiat. Res.
    • 発表場所
      SanFrancisco, USA
    • 年月日
      2007-07-11
  • [学会発表] ヒト肺癌A549細胞におけるNF-κB阻害剤Parthenolideの温熱増感効果2007

    • 著者名/発表者名
      林 幸子
    • 学会等名
      第9回関西ハイパーサーミア研究会、第17回高温度療法臨床研究会 合同研究会
    • 発表場所
      大阪市
    • 年月日
      2007-06-23

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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