研究課題
PETの機能画像とCTの形態画像を組み合わせた融合画像(PET-CT融合画像)を応用した放射線治療計画の可能性について、以下の基礎的・臨床的成果を得た。1基礎的成果模擬病巣辺縁部におけるPET用放射性薬剤(FDG)のRIカウントは病巣の大きさによる影響を受け、小病巣のRIカウントは低値を示す傾向が観察された。模擬病巣の周囲(背景)に存在するFDGも病巣辺縁部のRIカウントに影響を及ぼし、背景のRIカウント上昇によって辺縁部RIカウントも上昇した。臨床上の腫瘍体積評価に当てはめると、小病巣の過小評価および周囲炎症による過大評価が基礎的に明らかとなった。2臨床的成果FDG-PETにおける標準摂取率(SUV)の最大値(SUVmax)を臨床応用した頸部リンパ節転移の診断に関して、リンパ節の大きさに併せてSUVmaxの閾値を変化させて良悪性を鑑別する方法を開発した。すなわち、小径のリンパ節における良悪性鑑別では、SUVmaxの閾値も小値を要する。腫瘍体積評価についての後向き(retrospective)な検討では、PETの有無による大きさの差異は見られなかったが、観察者間での三次元的腫瘍体積の一致率は、PETによって明らかに改善した。PETの応用によって、観察者間の三次元的差異が軽減し、標準的腫瘍体積評価が得られる可能性が示唆された。3今後の研究展開平成19年度の研究で得られたPET-CT融合画像による腫瘍体積評価法に基礎的・臨床的な改良を加え、臨床的有用性(観察者間一致率および診断能の改善)を前向き(prospective)に検討する予定である。
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Acta Radiologica (掲載確定) (印刷中)
International Journal of Radiation Oncology, Biology, Physics 68
ページ: 377-382