研究概要 |
平成19年度は,G3Hマウス腫瘍6種類(扁平上皮癌:NR-S1,SCCVII,線維肉腫:NFSa#,8520,腺癌:MMCa,UCa#4)を用いて,^<62>Cu-ATSMの腫瘍内分布を検討した。使用したマウス腫瘍に対する照射効果は図1に示した通りで,扁平上皮癌と線維肉腫ではNR-S1とNFSaが,それぞれSCCVIIと#8520より放射線抵抗性で,腺癌2種類,MMCaおよびMCa#4は,ほぼ同様の放射線感受性を示した。これら全ての腫瘍に対して,炭素線はγ線照射より高い抗腫瘍効果を示した。これら6種類の腫瘍をC3Hマウスの下肢に移植し,径7.5mm大になった時点で,62Cu-ATSMを投与し,その体内動態を計測した。扁平上皮癌2種類の比較では,^<62>Cu-ATSM集積の腫瘍/筋肉比はNR-S1:4.39±0.87(mean±SD),SCCVII:3.34±0.45で,NR-S1への集積はSCCVIIへの集積より有意に高値であった(t=-2.41,p=0.04)。また,線維肉腫2種類の比較では,NFSa=4.44±0.57,#8520:2.70±0.41で,NFSaへの集積は#8520への集積よりも有意に高値であった(t=5.53,p=0.0006)。扁平上皮癌と線維肉腫では,放射線抵抗性である腫瘍(NR-S1とNFSa)に有意に^<62>Cu-ATSMの高い集積と認めた。一方,腺癌2種類の比較では,MMCa:3.42±0.88,MCa#4:3.46±0.54で,放射線感受性が同様であるこれら2種類の腫瘍では^<62>Cu-ATSMの集積にも有意な差は認めなかった(t=-0.09,p=0.93)。今回の結果から,腫瘍の放射線抵抗性と^<62>Cu-ATSMの集積に相関があることが示唆された。また,放射線治療を受けた子宮頸がん患者の子宮頸がんのメチオニン活性と11C-メチオニンPETとの関連について。11C-メチオニンPETを放射線治療前後に施行された子宮頸癌患者を対象に,その腫瘍検体を用いて,メチオニン代謝活性酵素の一つであるMethionine aminopeptidase 2(MetAP2)の免疫組織化学染色を行った。
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