研究課題
静脈凝固に必要なHIFUの条件設定下肢静脈瘤の治療に於いて、大伏在静脈の血流遮断が最も大事な処理となるが、この部位は比較的深部(表面から3cmほど)にあり静脈も太めであることより、この部位での凝固血栓閉塞の条件設定が最も重要となる。本年度は疑似組織内に手術持に採取した瘤化した大伏在静脈をセットし条件設定をおこなった。具体的には緩衝液を灌流するlcm径のtubeを挿入したポリアクリルアミドゲルに温度センサーを組み込んだPZT隔壁板(組織モデル)に2.17MHz波長の超音波プローブをHIFU transducerとして使用した。ポリアクリルアミドゲルを厚くして伏在大腿静脈接合部の深さに合わし温度上昇曲線を明らかにしたところ、血管前壁での音波の吸収が起こり血管前壁にのみ変性が起こることがわかった。血管を圧迫することにより前後壁ともに変性がおこることも組織を解析することでわかった。至適条件は超音波強度(1100-4800W/cm2)、照射秒数の目安(5-20sec)、レボビストの至適濃度(ボイド率として10^-5)であることがわかった。引き続き、この状態がin vivoにおいて再現されるか、ウサギの頚静脈を利用して測定してゆく予定である。
すべて 2007
すべて 雑誌論文 (1件)
Eur J Vasc Endovasc Surg 33
ページ: 625-630