研究課題/領域番号 |
19591482
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中島 清一 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30432537)
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研究分担者 |
種村 匡弘 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30379250)
野村 昌哉 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30403190)
澤 芳樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00243220)
西田 俊朗 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (40263264)
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キーワード | 新医師臨床研修制度 / 内視鏡外科手術 / トレーニング / シミュレータ / 精神運動スキル |
研究概要 |
1) 初期臨床研修医の教育目的に特化した内視鏡外科手術トレーニングプログラムの開発 従来の内視鏡外科手術トレーニングは中堅外科医を対象としたものが主であり、初期臨床研修医には内容が高度過ぎて不適切であった。本研究ではプログラムを抜本的に見直し、外科の専門知識を有さない研修医がモチベーションを維持しながら楽しく取り組める内容に改めた。具体的には、(1)内視鏡手術の特性や利点、欠点を現場の内視鏡外科医が臨床ビデオを用いて説明、(2)実際の手術室で使われるものとまったく同等の手術機器(光学機器や各種専用手術器具)を実際に手にとりながら操作法を解説、(3)初級向けトレーニングモジュールを新規にデザイン(巻き尺を用いた鉗子操作モジュールやパターン切り等)、(4)実際の手術時に撮影した多くの資料画像をもとに新規にオリジナル教材(初期臨床研修医用のための内視鏡外科手術マニュアル)を製作した。 2) 当該プログラムによる精神運動スキルの改善効果の定量的検証 上記のごとく改変したプログラムにのっとり、初期臨床研修医向けのトレーニングコースを3か月に1回開催した。コース毎約10名の参加者を対象に、トレーニングの前後にvirtual reality simulatorを用いた精神運動スキルの測定を行ったところ、作業時間(迅速性)、正確性、作業効率(無駄のなさ)のすべての項目において有意な改善効果が認められ、当該トレーニングが初期臨床研修医の基礎的スキル向上に有用であることが示された。 3) 当該トレーニングの初期臨床研修制度下での実行可能性の検討 1回のセッションは約3時間程度であり、病院側(と担当指導医)の理解と協力が得られれば現行制度下でもじゅうぶんに実行可能なプログラムであると考えられた。 4) 臨床現場における有用性(実際の内視鏡手術における教育効果)の定量的検証 当該トレーニングによって実際の手術室における教育効果が得られるか否かの検討は未だなされておらず、引き続き検討課題としたい。
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