本年度は、融合細胞ワクチンと化学療法の併用療法による第I/II相臨床試験を開始するための基礎的検討を行った。まず、腫瘍細胞の供給源として、新たな細胞培養ネットを用い、効率の良い株化細胞作成方法を開発した。本手法は従来の方法と異なり、3次元の立体培養が可能であり、患者からのプライマリー細胞の培養期間の延長および株化細胞の成功率が改善された。次に、allogeneousな腫瘍の株化細胞利用の可能性を検討した。その結果、allogeneous腫瘍閑化細胞のうち、とくにMHC class I抗原タイプが同じ腫瘍は、CTLの誘導が可能であり、融合細胞ワクチン作成に有用であることが確認された。現在、株化細胞に代わる新たな試みとして、ES細胞を利用した腫瘍細胞作成を検討している。
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