小腸移植後にFK506とFTY720とを組み合わせ術後の拒絶反応制御への影響や免疫抑制剤の適用量について検討した。DonorとしてBrown Norwayラット(control ; Lewisラット)、recipientとしてLewisラットを用いて、同所性小腸移植を行い、移植後のgraft survivalについて検討した。それらのgraftに対してH-E染色にて、graftの組織変化(細胞浸潤、crypt cell apotosis、arteriopathy、fibrosisなど)を検討し、免疫組織化学の手法を用いて、graftにおけるリンパ球の表面マーカーおよびMAdCAM-1、ICAM-1、VCAM-1をはじめとする接着分子の局在の変化について検討した。さらにex vivo graft irradiationを組み合わせた集学的治療を行い、graft survivalと組織学的変化を検討した。結果:FK506とFTY720との組み合わせにより、graft survivalは延長するも、ex vivo graft irradiationを加えても、graft survivalの延長は認めなかった。組織学的には、FK506とFTY720との組み合わせにより、有意な拒絶反応抑制を認めるも、ex vivo graft irradiationを加えても有意な拒絶反応制御は認めなかった。来年度以降は、平成21年度に結果が得られなかったそれぞれのモデルにおける小腸の機能的解析を6chポケットモニターと2ch内圧カテーテルを使用したいと考えている。また、実験成果についての論文投稿を行いたいと考えている。
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