研究課題/領域番号 |
19591498
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
石井 敬基 日本大学, 医学部, 講師 (20246870)
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研究分担者 |
高橋 泰夫 日本大学, 医学部, 助教 (30339329)
浅井 聰 日本大学, 医学部, 准教授 (80231108)
高山 忠利 日本大学, 医学部, 教授 (30280944)
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キーワード | 呼気テスト / 抗癌剤 / 13C |
研究概要 |
背景と目的:S-1の成分であるテガフールから5-FUへの変換にCYP2A6遺伝子多型が関与し、5-FUの代謝にはDihydropyrimidine Dehydrogenase(DPD)活性を抑制するギメラシルが重要である。13Curacil呼気テスト(UrBT)がDPD活性の指標であることが報告されており、CYP2A6遺伝子多型解析結果とUrBTの結果からS1の効果が予測可能であるかを検討した。 対象と方法:胃癌12例、大腸癌11例、膵臓癌2例(計25例)の進行再発症例を対象とし、S1を40mg/m^2を朝・夕投与した。CR+PR13例(CR:2例、PR:11例)とPD:11例のCYP2A6遺伝子多型(1アレルの変異VS両アレルの変異)、UrBTの結果、S1内服後の血清FT,5FU濃度について検討した。UrBTは2-^<13>C-Uraci1を2mg/kgを内服し、S1初回内服前と初回内服3時間後の2回施行し、60分までの13CO_2増加率(Σ60)で評価した。 結果:1)CR+PRとPDの間に単変量解析で有意差を認めたのは、*1/*Xのアレルの有無、内服後のΣ60、内服3時間後の血清5FU濃度であり、多変量解析で有意差を認めたのは内服後Σ60であった(P=0.042)。2)内服3時間後の血清5FU濃度と内服後Σ60の相関は-0.40(p=0.045)3)内服後Σ60の抗癌効果の有りに対する受動者動作特性曲線(ROC curve)の曲線下面積は、0.782(p=0.023)であった。4)内服後Σ60のcut off値を48%とした時の抗癌効果の有りに対する感度は76.9%、特異度83.3%、尤度比4.61、陽性的中率83.3%であった。 結論:S1内服後のUrBTの結果は血清5FU濃度との関連が高く、UrBTの結果でS1の抗癌効果が予測できる可能性が示唆された。
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